3日間に渡ってお伝えさせて頂いる借地権付建物の売買契約。

昨日の続きです。

売主さんの
「地主さんとは、ちゃんと話をしてあるから大丈夫。」
の言葉は、やはりいい加減なもので、地代も数百円ですが上がり、この日が契約だとは地主さんには伝わっておらず・・。

地代に関しては、そんなに極端な違いも無かったので、少し面白くない気もしましたが、それは了承する事に。

ただ・・・

話をしているうちに、この土地の相続が完了していない事が発覚したのです。

ウチが重要事項説明の際、土地所有者としてお聞きしていたのは女性の方。
謄本も添付され、この方との土地賃貸借契約になるのだと思っていました。

でも、この日お伺いした地主さんの家から出て来て対応してくれたのは男性。
一瞬、「??」とは思いましたが、きっとご高齢で息子さんが対応されているのだと・・・。

ところが、話をしていくうち、この土地所有者である女性は、昨年お亡くなりになられている事が分かりました。
その対応してくれた方は、やはりそのご長男。
で、話によると相続人が4人いらっしゃるとの事。

 

ganko_oyaji(1)このご長男は、
「この土地は私が相続する予定です。」と。

 

 

 

 

予定??

もしかして、相続人の間で揉めてる?

借地権契約の途中、その所有者さんがお亡くなりになり、仮に相続登記をしなくても、相続予定のどなたかが代表者(窓口)になられる事は、よくあるようです。
また、その名義書き換えも登記そのものも、次の更新までそのままという事も、元々の所有者さんが生存されている時に締結した原契約があるので、特に問題では無いようです。

 

ただ今回、ウチは更新では無く、新規20年の新たな契約。

 

<建物の登記がされていれば、その土地に対する賃借権は守られる。>

という考え方の一方、

<賃借権・・・譲渡、転賃のいずれにも地主の承諾が必要です。賃借権の場合、地主の承諾なくして第三者に譲渡、転賃したときは、地主は借地権契約を解除することができます。>

どう思います?

勝手に
「私一人が相続します。」
と言っている人と、他の相続人の承諾も無く、契約してしまって良いのでしょうか?

ウチは勿論の事、司法書士さんもこの土地の所有者さんがお亡くなりになられていた事はこの日初めて知った事実。
多分、仲介業者さんも・・。

syorui_yomu_man(1)司法書士さんとしては、
<全ての相続人の承諾書、或いは相続人全員連名での契約。出来ればそれ以外に相続人と名乗り出てくる人がいないかの証明(そんな公的書類があるのです。)>
これらの事が出来ないと、新規契約は何とも難しいと・・。

借地契約に於いては、昔からの慣習もあり、もしかしたらそこまでしなくても大丈夫な場合もあるのかも知れません。

ただ今回は、建物修繕にかなりの費用を掛ける事もあり、借地契約に関しては、何の問題も無い状態にしておきたいのです。

他の相続人さんから、

「新たに契約したなんて、そんな事聞いてない!!
契約は解除だ!!」

なんて後で言われてしまっても困るし、そこまでいかないとしても揉め事になる可能性がある事自体がイヤですね~(-_-;)

結局、あーでもない、こーでもないの話し合いの結果、地主さんの承諾が得られなかったという
<譲渡承諾の特約による解除>
という形で、白紙に。

時間を掛けて建物調査をした分、何だか疲れてしまいました(-.-)

仲の良い業者さん曰く、今回の仲介業者さんにもかなり問題が・・。
明らかに、調査不足ですよね。
こんな結果になってしまうと、地主さんとの話を売主さん(建物所有者)に任せ、介入しなかったのも、故意に?と思ってしまいます。
何とかまとめてしまおうとしていたのでは・・?
なんて事も考えてしまいました。
ウチとしては初めてお世話になる業者さんでしたが、不動産業者としての調査不足を理由に、損害賠償の訴えでもしようかと。

でも、まあ、時間も勿体ないし、お陰様で、借地契約・借地権に関しては、かなり深いところまで学習出来、
「それで良し!」
と、自分の中では片付けています。

ただ、この業者さんとは二度とお会いする事も関わる事も無いでしょう。

落ち込んでいたり、文句を言ってるより、また物件探さなくては!

3回に渡り、長々とお読み頂きありがとうございましたm(__)m

 

 

この記事を書いた人

松井 由美子
10年以上に渡る不動産仲介の仕事を経て、現在は大家さんです。

所有物件は、関東に6棟(8棟中2棟売却)のアパート、
九州に1戸(3戸中2戸売却)の区分マンション。
所有戸数もまだまだこれからですが、独自の手法で所有物件のすべてを常に満室キープ!


賃貸経営コンサルタントとしても活動中。

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